正月回診
院長は内科医です。私と院長は同じ病院で勤めていた時期が有りました。
私が勤務する病棟に、院長が専攻する科の患者様の病床が有る時期も有りました。
だから、もしかしたら以前に院長とすれ違っている時が有ったのかもしれません(^_^;)在院していなくても、正月回診ではすれ違っていたかもです。
正月回診とはその名の通り教授の「元旦の回診」です。これが、当科の恒例行事でした。
同門(同じ科を専攻したけれど開業したり他院に行ってしまった医師)・院生も含め、教授が医師を引き連れて患者様回りをするのです。しかも元旦に(^_^;)
病室に入りきらない医師たちでごった返している廊下では、医師たちの恨み節が飛び交っていました。
「まじ、ヤバいわ。正月から仕事なんて(# ゚Д゚)」
「早く終わってくれないかな~。」
などなど。
でも、患者様はとても喜んでいましたね~。
「正月から教授先生が回診に来て下さるなんて有難い!!」
そう異口同音に言っていましたから。
院長と共通の話題が有る
そんな訳で、私は院長の同僚医師を結構知っています。一緒に仕事をして来たので。
それで院長と昔話に話が咲く時が有るのです。S先生についてだの、N先生についてだの、教授についてだの色々です。
特に私が看護研究でものすごくお世話になったS先生とは大の仲良しだったみたいで、よくその話になります。
院長はいつも1㎜の事を1mに表現するので、話半分に聞いているのですが・・・・
武勇伝が多いので(^^;)もう何十回も聞きましたから(^^;)
教授の言葉
ある時に、院長と認知症の話になりました。
「教授が言ってたんですね。認知症は神様からのプレゼントだって。認知症の患者さんが一番幸せだって。」
「親が認知になって悲しいのは家族であって、本人ではないんですね。本人は認知症って気付いてないですから。」
「ワタクシは認知症の患者さんいっぱい診てきましたけれど、皆さん幸せそうです。」
・・・・・
まあ確かに。例外も有るけどね~。レビー小体型認知症とかさ。
でもさ、完全に認知になってしまったら幸せかもしれないけれど、その過程はとても苦しいと思うな~。
まあ忘れるっていう事は・・・回りまわって幸せだってのは母さん見てて思うわ~。
母は都合の悪い事は「忘れた」と言うのです(^_^;)
かつて姪を否定していた母
母は、伯母の義理の娘さん(Yさん。再婚相手の子)の事を否定していました。
「お母さんやったら、そんなん恥ずかしくて行かれへんわ~!!」って、毎度毎度言ってました。
何に対しての立腹かと言うと・・・
伯母の義理の娘のYさんが結婚した時に、旦那さんの親から家を買ってもらったそうです。
親権は離婚した前妻さんだったそうなのですが、前妻さんからの援助は無かったようです。
それなのに旦那さんの親は全く呼ばず、自分の母親だけ泊まりに来させているという話を聞き母は怒っていたのです。
「そんな話有るか?お母さんやったらおいでって言われても、よう行かへんわ。恥ずかしい(# ゚Д゚)」
この話が出るたびに、同じことを毎回言ってました。
ねえ、母さん。じゃあさ、何でウチに来れるの?
ウチを買う時
ウチを買う時に住宅購入贈与特例制度を活用しました。なすおやじの両親が沢山の支援をしてくれたのです。
ウチを買ったのは、なす子が小学一年生の時。
独身時代の貯金と結婚してからの貯金・なすおやじの両親からの支援の合算で現金購入しました。
義両親には感謝しか有りません。この生活が維持できるのは、義両親のおかげだと思っているからです。
母は以前も言いましたが貯金は0です。援助は有りませんでした。勿論、期待なんてしてませんでしたよ。
でも・・・後ろめたい気持ちが有ったのか知りませんが「家の資金の事、言いなさんなよ!!(言うなよ)」ときつい口調で言われたことを今でも覚えています。
何で母さんの体面を保つために、私が強い口調で言われなくちゃいけないのかなあ~って負の思いで一杯になったのを昨日の様に覚えてます。
しょうがない事なんですけどね。昔の事だから。
支援0なのに、毎日来る
伯母の義理娘の件で、あんなに豪語していたにもかかわらず・・・・母は毎日ウチに来ます。
今日なんて3回です。奉仕作業の前・挨拶運動の後・買い物の帰りです(^_^;)
母も気を使っているのか、私に声は掛けません。
でもね、カーテン越しの母の姿を見た時に「声掛けたら話し長くなるしな~」とか色々と気を使うのです(-_-;)
自宅で気を使うって・・・・ブルーになります(-_-;)しょうがないって自分に言い聞かせても、ブルーになります。気が休まらないのです。
なすおやじがいたら、どう思うかな~。神出鬼没な母さん見たら・・・・。
想いが募って言ってみた
「私はいいよ。私はいいけど(社交辞令)、なすおやじはどう思うかな?」
「ねえ、母さん覚えてる?伯母ちゃんのYさんの話。家を買う時の事母さんさあ」と話している途中で
忘れた!
私の話を遮るように答えました。本当は覚えているのかもしれないけどね。
私にはそんな香りがして来たよ、母さん。
都合の悪い事は忘れたで済ませる母
話しに向き合わない時に、色んな過去の事実を突き合わせ説明しようとすると
「忘れた。」
「知らない。」
そう言って話を終わらせてきた母。そう言われたら、話が続けられないのをわかっているからなのでしょうか・・・
中には本当に忘れている事も沢山有りましたが。
・・・・・・・
そう言えば院長がこうも言ってました。
「忘れると言うのは自己防衛本能が働いているんですね。
辛い事などが有りすぎると、人間は辛くて生きていけないんですね。
自分を守る為に忘れるんですね。だから忘れるという事も大事な事なんですね。」
って。
母は今までしでかした事を殆ど忘れているようです。本当にそれは有る意味幸せですよね~。それ以上責められないし・・・
(‘Д’)
それにしても母さん!忘れ過ぎじゃないんかーい!!そんな母が有る意味羨ましく思えました。
教授が言う「認知症(忘れる事)は神様からのプレゼント」というのはあながち間違いではなさそうだなっと思う事でした。
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