Hさんの愚痴
自分は中学生の頃から親が助かるように家事をさり気なく手伝っていた。でも自分の子供達は全く出来ない。
パート先の同僚Hさんがお嬢さんの事を愚痴っていました。
ウチの子もそうです。率先して何かをしてくれる事って・・・・・(‘;’)あっ!玄関の靴をなす太郎がいつも揃えてくれます(^_^;)
でもHさんが求めている事はそういうレベルの事ではなく・・・・自分が親にしてあげたことが返ってこないと言うのです。
Hさんは絵に描いたようにお利口な子供だったのだろうと思います。
小さい頃から、親が用事で忙しくしていたら味噌汁など率先して作る子供だったと話します。
親から躾けられた訳でなく・・・・姉妹がしているからという訳でなく・・・・自発的にです。
「へ~。すごいね~。私は自分からってお手伝いは何もしなかったな~。母がするなって言うの。勉強が有るからって(^_^;)」と言いました。
私はあの頃に時計を巻き戻すと・・・・考えさせられることが本当に沢山有ります。
多分他人はそれを後悔と表現すると思いますが・・・・私は「学び」と敢えて言います(ポジティブ(笑))
そもそも「お手伝いをするな」という事が・・・・本当は間違っていると思うのです。
子供が親に寄り添い「お手伝い=何か力になりたい」という優しい気持ちをへし折ったら・・・・きっと子供はがっかりすると思うのです。
母の場合は、「自分の低学歴に羞恥心を感じ自分と同じ轍を踏ませたくない。だから勉強だけに全力投球させてあげたい。」そう思っての発言だったのだろうと思います。
それが母なりの優しさだったのだと、今は思います。そしてそれに自立するまで甘んじてきました。
そんな私だからなす子やなす太郎にお手伝いを依頼する事って殆ど有りませんでした。多分「お手伝い」という概念が私に欠落していたのだと思うのです。それは私の子育ての中で反省点でもあります。
でもだからといって家の外で何も出来なかったかというと、そうではなかったと自負しています。
倒れている自転車を立ててあげたり、落とし物を拾ってあげたり・・・・些細な事ですが、それも当事者にとってお手伝いだったはずです。
なす子やなす太郎だってそんな場面を遠くで見守ったことが幾度も有るので、私はそれでいいと思ってきました。だから優しい心は持っていると思うのです(手前味噌(^_^;))
もし体調が悪かったり忙しかったりで子供達にお手伝いしてほしい時にお願いすればいいと考えていました。
でも、Hさんは自分がしてあげた事と同じ事をお子さん達に求めていました。相手の気持ちを推し量り手伝えて当然と言うのです。
「私はそうやって親が忙しい時に手伝って来たのに、(お嬢さん)は何もしない(怒)」
私はそれを聞いて、「でもさ~、私もウチの子もそうだけど、外では出来ていると思うよ。」と答えました。
そうすると「外で出来てるのは当たり前。ウチでしてくれないのがねえ~(怒)」
Hさんとの付き合いはもう7年です。暇な((^_^;)クリニックなので沢山の話をしてきました。「Hさん、Jちゃんはね素晴らしいお嬢さんだよ。」私の考えをそう切り出しました。
素敵なJちゃんのエピソード
すらりと長身で母親譲の綺麗な顔立ちをしているJちゃん。優秀なお嬢さんで、最高学府卒のパパの母校で学ぶ高校3年生です。
予防注射などで来院した時など、元気で溌溂とした素敵な笑顔が印象深いお嬢さんです。
いつもはHさんは自分の家族を褒めることは無いのですが・・・・半年以上前によっぽど嬉しかったのかJちゃんのエピソードを語ってくれた事が有りました。
そのエピソードっていうのは・・・
Jちゃんの高校では卒業式の花道を飾る花は生徒が作るそうです。各クラスに予算を与えられて花を育て、そのコンクールが恒例行事だそうです。
去年の秋口、PTAで学校に行った時に部活をちょっと見て帰ろうと思ってお嬢さんを探したけれどそこには居なくて。
諦めて車に向かったら運動場の片隅にいるJちゃんを見付けて「あなた何をしているの?」と聞いたら
「3年生はさ~受験で忙しいから花のお世話が出来ないでしょ。先輩も大変だし花も可哀そうだし、私が時々こうしてるんだ~。」そう言って雑草を取ったり水をかけていたと話したそうです。
私はそれを聞いてなんて素晴らしいお嬢さんなんだろうと思い感激しました。自分のクラスの当番でさえ面倒だと思う人もいると思います。
それなのに、自分には関係ない3年の先輩達の花の世話をしているのです。
誰も見ていないし、誰にも褒められません。3年の先輩の手入れをしてあげなければ、自分達のクラスがコンクールで優勝するかもしれません。
でも、Jちゃんはそんな事関係ないのです。先輩と花に寄り添ってお手伝いをしてあげていいたのです。
回りまわって返ってくる
この素敵なエピソードを聞いて私は感動したよ。なんて心根の優しい素晴らしいお嬢さんなんだろうって。
そんな事、なかなか出来る事じゃないよ。
Hさんはお母様に寄り添ってお手伝いをしたけれど、Jちゃんは先輩と花に寄り添ってお手伝い出来てるじゃん。
素晴らしい事だと思うよ。
それにさ今まで、ツイてるとか助かったとか良かった~って思った事あるでしょ?それってHさんが今まで沢山の人に寄り添ってお手伝いしてきた事が、回りまわって返って来ているんだと思うよ。
自分がお母様にした事と同じ事が返って来ないかもしれないけれど、形を変えてHさんを支えてくれていたんだと思うよ。
・・・・・・
そう伝えると・・・
「そんなことが有ったね~。忘れてた(笑)」
その時のHさんの目に溜まった涙を私は見逃しませんでした。私の想いが伝わったと確信に変わった瞬間でした。
母親業の先輩として
私はHさんよりちょっぴり母親業の先輩です。沢山の母親業への学びが有りました。
今回の事もそうです。もっともっと早くから子供達を肯定的にとらえてあげれば良かった・・・・そう思う事が有ったからHさんには私より早く気付いてほしかったのです。
Jちゃんとよくケンカをすると言ってたけれど・・・・・素敵な親子です。
でも、親から否定され続けた時の顛末は私が一番よく知っています。
つい最近までの私と母との関係の二の舞にならないように、この涙は心に留めていてほしいなと思う事でした。
応援して下さる方はよろしくお願いします。皆様も素敵なブログに出会えます様に!!
広告 CookLIVE(クックライブ)
ご自宅のキッチンで、体験レッスン初回限定500円(⌒∇⌒)