私の勤務するクリニック、来院患者様は本当に少ないです。
色々と理由は考えられるのですが、病院が古いというのが理由の一つに挙げられると思います。
でも院長は注射も上手だし(痛くないです)医師としての知識も豊富です。基本的に患者様にも私達スタッフにも優しいし、親切です。
ウチのクリニックに一度来院した人は、その後もずっと来院してくれる人の方が多いです。
ちょっと変わってるけど、話の引き出しを沢山持っている院長を尊敬してるし、このクリニックが大好きです。まあ、診療に向き合う前に、自分の健康を最優先している事実は否めませんが。笑。
ファミリーレストランとかに行くと、「わ〜、今このフロアに居るお客さん、ウチのクリニック1ヶ月の来院数より多いわ〜」としみじみ思います。笑。
そんな訳でいつも閑古鳥が鳴いてる我がクリニックですが、主な収入源は免疫療法と予防注射です。
免疫療法は、とある企業と提携して出先機関として治療一回につき報酬は○○円と決まっています。イメージ的に患者様が企業に支払う1/7がウチのクリニックの報酬です。
高価な治療ですが、患者様は後を断ちません。高須クリニックの院長や森永卓郎さん同様、延命は出来ると思います。癌と共存です。
免疫療法と一口に言ってもその内容はそのクリニックによって違うと思いますが。免疫療法は金額も中身も多種多様です。
ウチのクリニックの免疫療法は、、、率直に質が高いと思います。私が免疫療法を受けるとしたら、ウチのクリニックが契約している免疫療法を受けたいと思うくらいです。
予防注射の方は、赤ちゃんから高齢者の肺炎球菌ワクチンまで多岐に渡ります。
接種者は1歳まで頻回に定期接種として公費負担されているので、赤ちゃんが多いです。
今日はインフルエンザ接種日で、1人勤務体制の日でした。
もうすぐ3歳のKちゃんと5歳のRちゃんがパパと来院しました。
パパが予診票2人分を書いている途中で、お姉ちゃんのRちゃんがグズリだしました。「注射嫌だ〜。」とパパの腕を引っ張りながら、体をくねくねしています。
Rちゃんの気を逸らす為に、私はサトちゃんを使う事にしました。
皆様はサトちゃんをご存知ですか?
あの栄養ドリンクのユンケルで有名な佐藤薬品のマスコットです。
実はこのサトちゃん、指人形なんです。
サトちゃんを指にはめ
「RちゃんKちゃん、こんにちは!」と裏声で声をかけました。
Kちゃんはすぐに乗ってきて、元気よく「こんにちは!」と返してくれました。
私は2人に「サトちゃんがいいモノを見せてくれるって。」と声を掛けて
裏声を使い「こっちだよ!」
と言って、DVDを見せて好きなのを選ぶ様に言ったら、ぐずってたRちゃんもテレビの前にやって来ました。
トムとジェリーを見たいRちゃんとミッキーマウスを見たいKちゃん。じゃんけんで見る順番を決める事を伝え、サトちゃんの号令でじゃんけんをしました。
久しぶりにまじまじと見た。小さい小さい手。懐かしいサイズ感。なす子となす太郎の小さい頃を思い出しました。
Kちゃんはまだ上手にじゃんけんが出来ず、パーしか出せなかったので負けちゃいました。でもKちゃんは拗ねる事もなく、2人で仲良くDVDを見始めておとなしくなりました。
それを見届けてから私は事務処理をしたり、予防接種の準備をしたりしました。
ぐずっていたRちゃん、上手に受ける事が出来ました。接種後「痛くなかった」と何度も言っていました。Kちゃんはぐずりもせずに、スムーズに接種を終えました。
サトちゃんの指人形をはめて「Kちゃん、 Rちゃん、上手に出来たね。サトちゃんはびっくりしたよ!すごかったね!」と声を掛けると、得意顔の2人が可愛くて。
サトちゃんで遊びたいと言ったので、「いいよー。サトちゃんの兄弟だから仲良くしてあげてね。」と言いながら、2人の指にはめてあげました。裏声で「わーいわーい。遊んでくれるの?嬉しいな。」も付け加えました。笑。
親1人でちびっ子2人連れての来院はいつもこんなスタイルです。親が2人の場合は、子供が泣き止まない時には音の鳴る絵本などで気を逸らしたりしています。暇なクリニックなのでこんな関わりが出来るのだと思います。笑。
予防接種が終わり、パパがお会計を済まして2人を連れて帰ろうとすると、私の所までKちゃんがやって来て
「また遊ぼうね!バイバイ!」
と純真無垢な笑みを浮かべて、もみじの様な手を振りました。
可愛い。可愛すぎる。癒されるー!また遊ぼうねなんて可愛いことをクリニックで初めて言われた。私の事を友達と思ったのかな?とっても嬉しい。友達にしてくれてありがとう。
Kちゃん可愛いさにメロメロになってしまいました。
こんな可愛い時期がなす子にもなす太郎にも有りました。先日、なすおやじと一緒にアルバムを見て懐かしんでました。
なす太郎3歳の誕生日に、私は育休明けで職場復帰しました。慣れない手術室勤務となり、あの頃は毎日が綱渡りで、とにかくその日を終えるまで必死だった事を思い出します。
あの時に、Kちゃんに言われた「また遊ぼうね」と同じ言葉をかけられていたとしても、今回の様な感性が有っただろうか?その言葉に引き込まれたのだろうか?と自問自答しました。
多分、無かったと思います。
人は心に余裕が無いと、言葉の輝きに気付くのが難しい様に思います。
子供達が自立して、時間的にも心にも余裕が持てる様になったから、自分の周囲に有る素晴らしい宝石達に気付けて、拾い上げる事が出来るのだと思います。
この年になり、、、
季節や天気や旬の食べ物等の自然を、見たり味わったりをもっともっと丁寧に触れてみたい。日本の文化ももっと丁寧に感じてみたい。
そして、会話の中の何気ない言葉も丁寧に感じて大切にしていきたい。
丁寧に生きたい、、、そんなふうに思います。
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